石友探訪

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工房にはものすごい職人親子がいた。

今回は、石友の職人さんインタビューをさせていただきました。
なんと親子でジュエリー職人をしていらっしゃいます。父、知哉さんの背を見て育ち、仕事に憧れ入社した娘の紫咲さん。お二人の様子をご紹介いたします。

1・この仕事を選んだきっかけ

この仕事に就いたきっかけはどのような事でしたか?
父の仕事の様子を昔から聞いており、高校生の時にインターンシップで石友に行ったことがきっかけでしたね。
インターンシップに行きたいと言ったのはご自身ですか?
はい、そうです。
娘の紫咲さんがインターンシップに行きたいと言ったときはどう思われましたか?
正直ビックリしました。職人って、ジュエリーを磨く中で手も汚れたりするので、女の子は嫌がると思っていました。
なぜ、職人という仕事を選んだんですか?実際に就いてみてどうですか?
お父さんの仕事に憧れもありました。また、物を売るよりも「自ら作り出すことができる」という点に惹かれ職人の仕事を選びました。なので、高校を卒業し専門学校に行くのではなく、すぐに就職し、技術を身につけたいと思いました。
実際に就いてみてもちろん、手も汚れたりしますがそれが仕事ですから気になりませんね。少しずつ自分でできることが増えていくので、楽しいですね。

2・では、石川(父)さんに聞きます。

仕事場に実の娘さんがいることについてどう思われますか?
全く気になりません。1人の職人としてみていますから(微笑)
気にしてもしょうがないですしねー。
ところで、知哉さんはどのようなお仕事をしていますか?
ジュエリーの職人として、留めや磨きなどを行なっています。19年になります。
19年!ずいぶん長いですね。熟練の職人さんってかんじですね♪
いやいや、まだまだ毎日が勉強ですよ。例えばですね、リングを磨くときも輝きを出せる磨きの回数って決まってるんです。たくさん試しながら磨くと確かに綺麗にできるんです。しかし、磨き過ぎるとそのリング自体が本来のグラム数以下になってしまい、やり直しです。だから、できれば一回で仕上げたいのです。
こだわりですね。技術への追求といいますか。
はい。ばっちり決まった時は今でも嬉しい。でも、技術は私の満足のためじゃなくて、お客様が手にした時、身につけた時にはじめて意味をなす。最近はね、石友でもマリッジリングのご注文が多いのですが、まさに一点ものじゃないですか。だからね、「つけた人がとっても幸せになってくれたらいいな」って思いながら一点一点、心を込めて丁寧に磨いたり、石を留めたりしています。
なるほど!技術は思いの実現の手段でしかない。。長年の職人さんがいうと説得力ありますね!紫咲さんはどうですか?
急に来ましたね(笑)
私はまだ技術を必死に身に着けているという段階です。でも小さい頃から父の話を聞いていたので、仕事をするということがそういうことなんだっていうのは、何となく染み付いているかもしれません。私も、リングを仕上げているときはやっぱりつけている人の笑顔を想像しながらやってます。

3・職人さんとして。

では、知哉さんと紫咲さんのお二人に聞いてよいですか。まずはじめに紫咲さん。
はい。
主にどんなお仕事が多いんですか??
最近は、リングの加工・仕上げが多いですね。ブライダルリングがとても増えているので、シンプルなものが多いですが、やっぱりシンプルな製品はとても難しいです。毎日ヒヤヒヤです(汗)
なるほど。シンプルのほうが簡単そうですが、逆なんですねー。
でも、技術が上がってきたらそういう難しいことを任されるようになるんじゃないですか?
はい。もう任されることがちらほら。なので、先輩の職人さんが作業している姿をよーく見るようにしています。父も側にいますので聞くこともありますが、まずはやってみる。手で感触を覚えて、手順ややり方を考えて見る。人のを見るのは、技術向上の基礎を学ぶのも勿論なのですが、それ以上に「いろんな方法」があるからなんです。
いろんな方法とは?
一つの結果に対して、攻め方といいますか、仕上げ方のアプローチがあるんです。熟練の職人さんですと、私が全く想像しないような作業工程を踏むことがあるんです。
深い!お父さん、これについて詳しく教えて下さい!
んん。油断していました。すみません。方法ですよね?恐らく彼女が言っているのは、「工程」のことだと思うんです。
(うんうん)←うなづく。
そうであるならば、私の場合には仕様書をもらった時に「どうやってこれを実現しようかなー」と考えるんです。だいたい実現に向けて2〜3パターン考えます。作業スピードと完成の質とのバランスを考えて、最適な工程を選びとって、その工程で製品を仕上げます。そのプロセスが浮かぶかどうかは、何年も何年も経験を重ねていく中で自然と身につくものだと思います。
製造原価もお客様になるべく製品をお安く届けられる要素の1つですから、時間をかければいいってものではないと思います。

4・親子として聞いてみた。

最後に、石川さん(お父さん)にお伺いしたいと思います。今後、娘さんに引き継いでいきたいことってありますか。
はい。娘というよりは、彼女を含めた若い職人さんたちには、一人で全てできるように最初から最後までの技術を身につけて欲しいですね、何よりも。この業界では、留めは留める職人、磨くのは磨く職人…と分かれていることが多数なんですよ。私たちの会社では、方針を転換し一人の職人が全工程できるように押し進めてきて、すごくいいと思っています。前後の工程が職人の頭に入っていますから、完成形を想定しながら作業できます。これが、いいんです!
そのために何かアドバイスありますか?
私たちの扱う商品は高価なものです。なので非常に慎重な作業が要求されます。しかし、失敗を恐れていては進歩しないので、若い職人さんには失敗を恐れず難易度の高い作業にどんどんチャレンジして、反省し、学んで自らにその感覚を身につけて欲しいですね。これが自信につながります。
あと、技術と生産性のバランスも重要ですが、これはもうちょっと後かな。やはり「使う人の顔を考えながら」必死に仕事することに尽きますね!!がんばってください!

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